筋トレもやっていて、ランニングなどの有酸素運動もよくされる方って多いと思います。私もマラソン大会にでたりしますが、筋トレもしっかりしているタイプの人間なので、どっちもやられる方の気持ちはわかっているつもりです。
では、筋トレと有酸素運動をやる順番ってどっちを先にすれば筋トレには効果的なのでしょうか?ここでは、筋トレを主眼に置いて、どうしたら筋トレの効果を上げて、さらに有酸素運動を効果的にできるのか、脂肪燃焼などのダイエット効果にも使えるのか?という目線でお伝えいたします。
順番はどっちが先?
有酸素運動がお好きな方や、ダイエットに役立てたいという方は筋トレをする前と後どちらに有酸素運動を取り入れたらいいのか、メリットデメリットがあるのでどうしたらいいかわかりづらいと思います。
そこで、まず有酸素運動を筋トレ前と後に行う2つのパターンについて分けてお伝えしていきます。
1:有酸素運動の「前」に筋トレの場合
脂肪燃焼効果
有酸素運動の前に筋トレを行う場合、脂肪燃焼の効果が期待できます!
詳しくは後ほどの筋トレと有酸素運動のダイエット効果のところでお伝えしていきますが、簡単にお伝えすると、筋トレで糖質を消費し、有酸素で脂肪を燃焼できるからです。
この順番で行うことで、先に有酸素運動をするよりもより効果的に脂肪燃焼に役立てることが期待できますよ。
クールダウン
筋トレで疲労した筋肉には乳酸がたまっています。筋トレ後に軽い有酸素運動を行うことで、クールダウンにもなります。
ゆっくり走ることで、血流が上がって疲労をためにくくすることができるので、筋トレ後に軽い有酸素運動を行うことでクールダウンにもなり疲労や怪我予防にも役立てられますよ。
スポーツ選手なんかは、激しい練習の後には軽く走ったりしてクールダウンを行うことは日常的に行われています。
筋トレでも同様に、筋トレで酷使した体にたまった疲労を翌日に残さないためにもクールダウンの意味合いで走られるのもよいですね。
下半身の筋トレに注意
筋トレ後の有酸素運動ですが、1点注意が必要です。
それはスクワットやカーフレイズなど下半身の筋トレをした後に有酸素運動をすることです。主にランニングですが、スクワットをした後は足がガクガクになってしまいます。
その状態で走るとバランスを崩してつまずいたり、棒立ちになってひざに負担がかかってしまってひざを痛めてしまったりという危険性があります。
そのため、下半身の筋トレ直後のランニングは二次災害的にケガをする可能性もあるので控えたほうが良いと思います。
エアロバイクをこいだりサイクリングにするなどどうしても有酸素運動をしたいというときには有酸素運動の種目を工夫してケガをしないように気を付けてください。
2:有酸素運動の「後」に筋トレの場合
ウォーミングアップ
筋トレの前に軽く有酸素運動を行うことでウォーミングアップになります。10分ほど軽く走ったりなどで、体が温まりパフォーマンスが出しやすくなります。
筋トレをする前にも怪我防止や体を温めるために準備運動、ウォーミングアップをしますのでそれと同じように実施されるのもありかと思います。
しかし、あまりに長時間有酸素運動をされると、次にお伝えする筋トレのパフォーマンスが落ちてしまいますのでご注意ください。
ウォーミングアップに有酸素運動をされる場合は5~10分程度にして、筋トレをされるとよいかと思います。
筋トレのパフォーマンスが落ちる
筋トレ前に有酸素運動をやりすぎることで、筋トレのパフォーマンスが落ちてしまいます。
なぜかといいますと、筋トレをするためにも筋肉の中にある糖質(グリコーゲン)を使ってエネルギーにしていきます。
その糖質が有酸素運動に先に使われてしまうため、筋トレをするときに糖質が減ってしまっているからです。
個人的な感覚ですが、実際に有酸素運動やスポーツの後に筋トレをしたときはかなり上げられる重量も落ちてしまいます。
以前に、ベンチプレスで悠々と上げられていた80kgがスポーツの練習直後だと60kgでギリギリになっていたこともありました。
そのため、本来であればどれくらい上げられるという目安も違ってきますので注意が必要です。
さらに、いつも上げられる重量があげられないのでモチベーションも下がってしまいがちです。
有酸素運動後に筋トレをしたら重量が下がると知らなければ「いつもは上がっているのになぜ??」と疑問に思ってしまうかもしれません。
そのため、有酸素運動をがっつりやった後に筋トレをするのは筋トレをメインでされているのであれば避けた方がよいですよ。
ダイエット効果を出すには?
トレーニングで糖質燃焼
筋トレ後に有酸素運動を行うことで、筋トレで糖質が使われている状態で有酸素運動を行うことができるので、最初から有酸素運動での脂肪燃焼効果を期待することができます。
有酸素運動単独で脂肪燃焼をしようとすると、先に糖質を消費して(少しは脂肪も消費しながらですが)糖質がなくなった後に脂肪を分解してエネルギーに変えていきます。
そのため、よく世間一般的にいう「有酸素運動は20分以上しなければ脂肪が燃えない」といわれるもとがこれですね。
後にもお伝えいたしますが、有酸素運動を開始直後では糖質と脂肪の消費の割合はおおよそ「糖質:脂肪=5:5」であると研究結果で分かっています。
そのため、有酸素運動を行うことで20分以上しないと脂肪が燃えないことはないのですが、先に糖質を使っておくことで使う糖質がないため脂肪を燃焼するようになるということが良いポイントの一つです。
燃焼効率の違い
先ほど有酸素運動開始後の糖質と脂質の消費される割合は「糖質:脂肪=5:5」であるとお伝えいたしましたが、筋トレ後にはこの値がうれしい方向に変わります。
筋トレ後に有酸素運動をすることで、使われる糖質と脂質の割合が「糖質:脂肪=4:6」から最大「糖質:脂肪=3:7」まで脂肪のほうが多くなることも東京大学の研究で分かっています。
そのため、筋トレを行うことで、さらに脂肪が燃焼しやすい状態に体をもっていくことができるので、筋トレ後に有酸素運動を行うほうが良いことがわかりますね。
成長ホルモン
筋トレの後に有酸素運動を行うことで脂肪の燃焼がさらに加速されます!
筋トレをすると成長ホルモンというホルモンが分泌されます。これは筋肉や骨、皮膚を強くしてくれるホルモンで、脂肪燃焼を促してくれます。
そのため、筋トレ後に有酸素運動を行うことでより脂肪燃焼に効果ありということになります。
脂肪燃焼される原理は以下になります。
- 空腹や筋肉内の糖質が使われ糖質が欠乏する
- 筋トレを行うことで成長ホルモンが分泌される(ここが重要)
- 脂肪分解酵素が働き、脂肪細胞が遊離脂肪酸へ変化
- 遊離脂肪酸が血液に乗って運ばれ、エネルギーとして使用される
- 脂肪燃焼
- エネルギーに使われなかったら脂肪細胞へ戻る
このように筋トレ後は成長ホルモンが分泌されるため、より効果的に脂肪燃焼が可能です。
有酸素運動のやりすぎに注意
筋トレと有酸素運動が脂肪燃焼にとても効果的であるとお伝えしてきましたが、筋肉を付けて代謝を上げ長期的にも痩せやすい体を作りたいという方は有酸素運動のやりすぎに注意が必要です。
有酸素運動では糖質を消費した後には、脂肪と一緒に筋肉も分解してエネルギーに変える働きがあります。そのため、有酸素運動がいくら良いからと言ってやり過ぎると筋肉が落ちて行ってしまう可能性があります。
極端な例ですが、マラソン選手や駅伝選手で筋肉粒々の選手っていないですよね?みなさん細い体をされておられますが、あれは筋肉が落ちているためです。
ただ、筋肉が落ちてしまうというのはやりすぎたり、筋トレが趣味で寝ても覚めても筋トレのことを考えているという方であれば筋肉が落ちてしまうかもしれません。しかし、筋トレを始めたばかりとか、普通に趣味で筋トレをされている方であれば特に問題ないと考えます。
むしろ、ランニングでは逆に太ももの大腿四頭筋やハムストリングスが鍛えられるので、気にしなくてもよいと思いますよ。
さらにランニングをすることでひざ回りの細かい筋肉も鍛えられてひざのけがの防止にもなりますので、そこまで神経質にならなくてもよいかと思います。
30分とかそれくらいの有酸素運動であれば、なんら問題ないかと思います。
30分くらいの有酸素運動はスポーツ選手でも余裕していますし、それでも筋肉が落ちるのであれば、筋トレの量が足りないのかもしれませんね。
ラグビー選手なんて、数十分動いているのにあの体ですから。
有酸素運動をするならおすすめは?
ジョギング
ジョギングは話ながら走れるくらいの軽い負荷の運動です。
ジョギングも非常に取り入れやすい有酸素運動ですよ。
ランニングと同様にジョギングも幸せホルモンであるセロトニンが分泌されるので筋トレ前後に行われるのが良いと思いますよ。
ランニング
ランニングやジョギングは筋トレ前後に非常に取り入れやすい有酸素運動ですよね。
ジムにはランニングマシーンもありますし、走ることはどこでもできますので外の空気を吸って気持ちもリフレッシュすることもできますね。
また、ランニングはリズム運動なので幸せホルモンのセロトニンの分泌が増えますので筋トレ前後に行う有酸素運動としては非常に良いと思いますよ。
サイクリング
サイクリングも非常に取り入れやすい有酸素運動ですね。ジムにもエアロバイクがありますし、下半身の筋トレをした後にランニングは少し怖いですが、自転車であればひざへの負担や、ランニングをしていてつまう危険も回避できますね。
ジムの行き帰りに自転車を使うことでウォーミングアップやクールダウンも兼ねることができますので、取り入れやすい有酸素運動でおすすめですね。
水泳
これは設備がないとなかなか取り入れづらいですが、全身運動になってカロリー消費も多いので水泳ができるのであれば、取り入れられてもよいかと思います。
ひざへの負担も少なくなるため、ひざへの負担が気になられる方は水泳を取り入れられるのも良いですよ。
まとめ
筋トレの前後に有酸素運動を行うのにどっちがいいのか、さらにはダイエット効果は期待できるのか?ということについてお伝えいたしました。
- 筋トレ後:脂肪燃焼に効果的、クールダウンにもなる、下半身の筋トレ後は注意
- 筋トレ前:ウォーミングアップにはいい、筋トレのパフォーマンス低下に注意
- ダイエット効果:糖質の消費と割合、成長ホルモンの分泌、やりすぎに注意
これらを意識していただき、ランニングなどの有酸素運動がお好きな方は効果的に筋トレへ取り入れられてください。私も昔から走ることが習慣になっていてランニングは頻繁にしていますので、一緒に頑張っていきましょう。